【給付型奨学金/随筆】「給付型奨学金」はやはり必要なのか?東京地区私立大学教職員組合連合の調査でわかる首都圏私大生の生活ぶり。月額8万6700円。

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 親からの若者の平均仕送り月額が、15年連続で減少しているらしい。

 昨年度、首都圏の私立大学に入学し、下宿して学生生活を送る若者の平均仕送り月額は前年度比で1,800円減の8万6700円である。東京地区私立大学教職員組合連合が調査した。(Yahoo!ニュースで報じられています)

 仕送りから家賃を除いた生活費は1日当たり850円。

 なるほど。仕送りだけでは、生活で難しい金額である。ちなみに、過去に、平均仕送り月額が最も多かったのは、1994年度の12万4900円。

 


■1日当たりの生活費は、吉野家牛丼(並)で言えば、3.9杯分の差


 ニュース記事からざっくり計算すると、1994年度の下宿学生の仕送りをもとにした生活費(仕送りから家賃平均額を除いた額を30日で割る)は、一日当たり約2,320円。

 それに対して、東京地区私立大学教職員組合連合の調査に基づき、ざっくり計算した金額は、2015年度は850円。

 2,320円(1994年度)と850円(2015年度)。その差は1,470円。

 だいぶ違います。その差額だけで、吉野家牛丼並380円を3.9杯食べられる違いです。この3.9杯だけで一日の食事をまかなえてしまえます。


■1年間の授業料は、年間約15万円、月額約1万2,900円なり。


 次に、私立大学の授業料の推移を見てみると、文部科学省資料があります。これによると、私立大学の授業料の平均は、1994年度の70万8,847円、2014年度の86万4,384円となっています。

 70万8,847円(1994年度)、86万4,384円(2014年度)。その差は年間15万5,537円となります。月額では1万2961円。

 ここで、この授業料が高くなった分を、またまた牛丼並で換算すると、34.1杯となります。一日1杯、牛丼を食べられるくらい高くなっている。

 下宿学生の親の収入が増えない、もしくは減っている現状の中で、授業料は高騰し、まずは授業料の支払、そして仕送りが抑えられる。そんな様子がありありと分かります。

■そして、給付型奨学金が必要と叫ばれるが、それだけでよいのか


 上記のような経済的な状況を見ると、給付型奨学金が必要との意見も一定程度同意します。確かに、学生生活がままならないですから。

 しかし、タダで奨学金を給付してもらえるというのには、モヤモヤしてしまいます。

 社会に出れば、タダでお金をもらえるということはありません。一部、政治によるバラマキ的なモノ(何とかクーポンとかで高齢者等に…)もありますが、それは例外です。

 将来を担う若者が、その長い人生の初期の段階で、タダでお金の給付を受ける体験をしてしまうと、「社会に価値を提供し、その対価としてお金をもらう」ということを、認識できない、誤解してしまうという影響も出てくるのではないかと思うのです。

 もちろん、給付型奨学金の創設を否定するつもりはありません。あるべきなのですが、給付を受けるための前提として、学生自身が負うべき義務を明確にしたうえで、創設すべきだと考えるのです。つまり、義務を終えそうにない人は給付を受けられないというもの。

 そしてその義務は、経済的なことではなく、当の学生のやる気や意欲を示す行動を示すことであるべきと思います。例えば、その義務として考えられる例には、ボランティアとして年間○○時間、□□で○□することや、○○分野で□□の研究活動を行い論文を○○書くことなど。

 こうした給付型奨学金を受けることに対する、学生の義務について、まずは議論をすべきではないかと思うのです。政治家の方々の意見が世の中に届かないのは、メディアが取り上げないせいなのかしら。それとも、そもそもそういった論点がない…のかしら。

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