【Honto(ホント)/書籍】危機感の表れ?需要喚起、顧客囲い込みの戦略なのか?ジュンク堂、丸善、文教堂ですすめるポイントサービス。Honto(ホント)。

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 毎週のように、丸善、ジュンク堂、八重洲ブックセンターを巡回しています。いわゆるパトロールです…

 街の本屋に行けば、その時期その時期で、話題の出来事、これから注目されるであろう出来事を取り扱った書籍が、雨後の竹の子のように出版されている様子がうかがえます。とても面白いですよ。

 さて、本屋である丸善で本を購入すると、今、「Honto(ホント)」という「ポイントサービスに登録しませんか?」というお知らせを、レジカウンターでしてもらえます。かなりの力の入れようです。

 このHonto(ホント)のポイントは、次の2通りの方法で取得できます。

・電子書籍ストア・ネットストアでの購入⇒100円の購入ごとに1ポインント
・実店舗での購入⇒200円の購入ごとに1ポインント

 このポイントサービスは、ネット経由での電子書籍を押しているようです。ポイント付与率が2倍ですから。

 ちなみに、Honto(ホント)のポイントは、電子書籍ストア、ネットストア、全国のhontoポイントサービス実施店舗での買物に、1ポイント=1円相当で使えます。なるほど、書籍でもポイント割引サービスを始めたということですね。

 これについては、かなり感慨深いものがあります。その思いをいくつかの観点からまとめます。

<目次>
1.ポイントサービスを始めた背景を想像してみる
2.Honto(ホント)のポイントはどれくらいお得か?月12,000円で60円の還元。
3.しかし、書籍にポイントサービスがついたことに意味がある?



1.ポイントサービスを始めた背景を想像してみる


 書籍と言えば本屋さんで売っている商品ですが、これまで書籍は、定価で買うものでした。どこの本屋さんに行っても、通常、値引き販売、タイムセールなどはなかったですよね?もちろん一部の例外を除いては。

 出版業界は、これまで価格競争に陥らないように、定価で販売することを厳格に守ってきた業界でしょう。

 しかしながら、世の中、ネットの普及とともに、本からではなくネットから情報を集めたり、ネットで読み物をしたりと、書籍を購入してまで本を読む人が減っています。また、アマゾンで本を購入する人が増え、本屋さんの売り上げが落ちているという実態があります。

 そうしたことから、ポイントサービスを作って、お得だから「本を読もう!」、「店舗やhontoで買おう!」と思ってもらえる顧客を集めようとしているのでしょうか。

 出版業界、また街の本屋さんが、これまで定価での販売を厳格に行ってきた(少し上から目線)のに対して、ポイントサービスを開始するということは、それだけ業界として切羽詰まっている実態があるのでしょうね。

2.Honto(ホント)のポイントはどれくらいお得か?月12,000円で60円の還元。


 さて、出版業界の危機感から出発したと思われるポイントサービス。このポイントサービスはどれくらいお得なのであろうか?

 紙媒体の書籍購入者の例で考えてみましょう。紙の書籍は200円で1ポイント=1円の還元となります。つまり、書籍代金の0.5%の割引と同じと考えます。

 1週間に1冊、一般的なハードカバーの書籍を買う人を想定してみる。

 一般的なハードカバーの書籍は、およそ3,000円程度ですので、それを一か月=4週間として、ひと月に3,000円×4冊=1万2,000円の書籍代がかかります。

 そうすると、Honto(ホント)のポイントは、60円の還元となります。

 なるほど。ひと月60円の還元ね…

 ちなみに、世の中では、1か月に4冊の書籍(しかもハードカバーの3,000円程の本)を購入する人はどれほどいるでしょうか?あまりいませんよね。

 だとすると、多くの人々は、月に60円以下のポイント還元しか受けないことになります。もちろん書籍への出費も少ないですが…。

 でも、この還元される金額を見ると、このポイントサービスは、消費者にとってどれほどのインパクトがあるのか?月12,000円の費用で、60円ですから…

3.しかし、書籍にポイントサービスがついたことに意味がある?


 確かに、現状のHonto(ホント)のポイントサービスには、還元率の観点からは、それほど大きなインパクトなさそうです。

 しかし、そうであっても、一定程度は、意義があると考えています。

 これまで定価販売にこだわってきた出版・本屋業界が、ポイントサービスという間接的な方法ではあるが、消費者に還元して、顧客を囲い込み、また需要を喚起しようとしたところに、業界の危機意識と、行動力が見られるからです。

 こうした小さなアクションが、更なる顧客へのサービスと発展し行くための風穴になるのではないかと思うのです。

 面白い本があることを顧客に丁寧に伝え、心地よく本を購入してもらう、そのために顧客に対してできることを積極的に考え実行していく。そうした姿勢を出版・本屋業界は推進していってほしいものです。(間接的ですが、これまではそうではなく、顧客志向ではなかった業界だと認識しているものですから…)

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