【会社員・サラリーマン/読書】中高年サラリーマンの振舞い方について:楠木新「左遷論」

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 楠木新氏の「左遷論」(中公新書)を読んだ。同氏の著作はしばしば読んでいて、会社員・サラリーマンの人事に関する話には、感心したものである。

 今回は「左遷」というキーワードであることもあり、刺激的な内容なのかしら?とも思いつつ読み切った。

 本書の詳しい内容を知りたい方は、ぜひ、本書を読んでもらいたい。ここでは、本書の中の特定の部分から派生して、いくつか述べたい。

<目次>
1.理由不問の長期休暇は中高年だからこそ必要!?
2.中高年だからこそ、副業禁止規定を緩和することも必要!?


理由不問の長期休暇は中高年だからこそ必要!?


 本書の中で、中高年(40代以上)だからこそ「理由を問わず、1年間の休暇ができ、また会社に戻れる制度があっても良いのではないか?」という意見があることを知った。

 なぜ、中高年なのか?





 若手社員の話であれば、1年間会社の業務を離れ、広い世界に飛び出して経験を積むことで、将来会社に大きな貢献をする優秀社員に育つために必要であろうと素直に受け取れる。実際に、米国の大学院への留学(2年間)などの制度を持つ会社などもある。

 しかし中高年(40代以上)だからこそ必要ではないか、という意見が世の中にはあるとのこと。

 一般に、成熟した日本社会では、バブル時代のように右肩上がりで企業が成長することは見込めない。そうした中では、企業内では会社員が40代に差し掛かるころには、昇進等ができる人材と平社員に留まる人材とが明確になる。

 そして後者の社員にとっては、それが分かった途端に、会社員生活の中で仕事への意欲がグッと低下するという。しかしながら、40歳でも、そのあと20年に及ぶ会社員生活が残されている。そのまま、モチベーションが低いまま20年を過ごすことは、本人にももったいないことだし、会社としても本意ではない。

 昇進等の処遇面では会社は報いることはできないが、意欲をもって働いてもらうための意識転換の機会があっても良いのではないか、ということであろう。

 では、中高年(40代以上)の世代において、1年間、自由な時間が与えられたら何をするだろうか?そして、1年間の理由不問の休暇が終わり、会社に戻った彼らは、どのように会社員生活を変えていく可能性があるのか。

 今までそのような仕組みを持った会社もなかったであろう。もし自分がそのような機会に遭遇したら、1年間どう過ごし、会社に戻ったら、どのようなスタンスで仕事に向き合うだろうか?

中高年だからこそ、副業禁止規定を緩和することも必要!?


 上記と同じような背景で、副業禁止規定を緩和することも必要かもしれないという話がある。会社員として与えられた仕事をこなすだけでは、特に中高年会社員はもはやモチベーションを維持できない。だって、もう昇進等が見込めないのであるから。

 そのような閉塞感を打開する一つの考え方が、副業禁止規定の緩和であるという。

 中高年にもなれば、会社員として十分な経験を積んできているだけに、一定の経験とスキルを蓄えている。それを所属する会社でのみしか使えないというのは、社会的にも、そして本人としてももったいない事であろう。


 もしその経験やスキルを、個人として社外の多様な場面で役立てられれば、日々の社会人生活に対するモチベーション維持にもつながり、会社としてもメリットがあるのではないかということである。

 つまり、もう昇進を望めない中高年会社員のモチベーション維持の機会を社外に求めることで、会社としては、中高年社員に気持ちよく日々の生活や仕事に向き合ってもらえる環境を作れないかという考え方である。

 ただし、個人的には、何となくそうした方向性もあり得ることはわかるが、一方で懸念することは、中高年社員が社外の活動にばかり熱心になり、会社の仕事が二の次になってしまわないかということである。

 昇進等の将来性がもう見込めない会社員として社内に囲い込んでおくのが良いのか、副業禁止規定を緩和して外に目を向けてもらうことで、会社員のモチベーションを高めてもらう方法が良いのか、どちらがより良いのか?

 なかなか難しい問題であるが、今後、話題に上がることは必至なテーマなのであろうか。

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