高額所得者の所得額の申告漏れ×職業、国税庁の資料で所得税について考える

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 みなさん、お金持ちってどんな人か興味がありますよね?今回は、その類の話を書きます…

 東京国税庁より、「所得税及び個人事業者の消費税について」という資料が公表されました。この資料は、平成 27 事務年度(平成 27 年7月から平成 28 年6月までの間)に実施した調査等の状況をまとめたものです。

 ではどのような資料か?

 所得税に関する部分に注目すると、「高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査(特別調査・一般調査)を優先して実施する一方、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査を実施しています」とのことです。

 いわゆる申告漏れ所得金額を調査して、追徴課税を課すために行った調査の状況報告書です。

 近年、「富裕層はちゃんと決められた額の税金を払っているの?」という国民の意識に沿って、高額所得者を中心とした申告漏れ所得金額の調査に関心が集まっていますが、その調査のことです。

 この資料を見ている中で、「事業所得を有する者の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種」という部分があるのですが、とても面白いので紹介します。

<目次>
1.過去10年間の「1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種」トップ5
2.どの職種で高額な申告漏れ所得が多いのか?
3.注目すべきは直近の結果。風俗業がなくなる…





1.過去10年間の「1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種」トップ5


 この資料では、「事業所得を有する者の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種」として、過去10年間に渡るトップ5を公表しています。

 この資料を見れば、そもそも高額な事業所得を得ている職種がどのような職種かを垣間見ることができるとともに、申告漏れ所得が発生しやすい職種もよーく分かります。

 まずは、公表データを下図に記載します。

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 これを見ると分かる通り、1件当たり申告漏れ所得額は1000~3000万円程度となっています。

 もちろん、対象となる事務年度ごとに、額はばらばらとなりますが、概ねこの辺りのレンジが、我が国の高額所得の申告漏れ所得額といるでしょう。


2.どの職種で高額な申告漏れ所得が多いのか?


 このデータを見ていると、同じ職種が毎年頻繁に見られます。

 つまり、申告漏れが発生しやすい職種、かつ高額所得が得られる職種と見ることができるものです。

 そこで、上記のデータをトップ5にラインクインした回数を足しあげて、その上位10職種を見たものが下図となります。

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 ダントツの1位は、「風俗業」で9回であり、ほぼ毎年ランクインする職業となります。

 続いて、2位は、「バー」の7回となります。バーッてそんなに儲かるものでしょうか…と意外な結果です。

 さらに、3位「情報サービス」の6回、4位「プログラマー」4回でありIT長者などと言われることもあり、高額所得がありそうな職種ですね。




3.注目すべきは直近の結果。風俗業がなくなる…


 さて、このデータを時系列でみると、ほぼ毎年、1件当たり申告漏れ所得額が1位であった「風俗業」がランクからいなくなっています。平成27事務年度です。

 再度、平成27事務年度の結果を示すと下記になります。

<平成27事務年度>
1位 キャバレー 3,174万円
2位 情報サービス 1,595万円
3位 司法書士、行政書士 1,374万円
4位 鉄骨、鉄筋工事 1,342万円
5位 型枠工事 1,334万円

 意外にも、5位以内に入らなくなったのは、過去10年の中でこの平成27事務年度のみ。

 急速に「風俗業」がもうからなくなったということでしょうか?

 もしくは、所得申告をしっかりする業界になったということでしょうか?

 前者の方がありえそうな気もしていますが、近年の同業界の様子が急速に変わりつつあることの予兆でしょうか。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫る中、同業界の浄化が進んでいる(?)ということかしら…