自撮り被害と中学生・高校生、東京都の条例で規制する?

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 「自撮り被害」ってなんなの?

 キーワードのひとつである「自撮り」だけ見ると、観光客が観光地でせっせと写真を撮っている姿や自撮り棒(懐かしい…)、グラビアアイドルの自撮り部、等々がすぐ連想されます。

 「自撮り」という言葉に「被害」という言葉がつくと、何を指すのだろうか…

 2月10日付のニュース記事によれば、中高生がネットで、だまされたり、脅されたりして、自らの裸の画像等を、ネットを介して相手に送ってしまうことを言うらしい…

 そのようなことが問題になっているのか…今日はその件について考えをまとめてみます。

<目次>
1.自撮り被害なるものの状況を整理
2.ネットを介して”だまされたり、脅されたりして…”の背景が重要では?
3.ネットを介して”だまされたり、脅されたりする”の相手は?





1.自撮り被害なるものの状況を整理


 平成28年11月付で、警察庁より教育関係者、青少年行政担当者向けに資料が公表されています。
 https://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/no_cp/newsrelease/selfy.pdf

 「児童ポルノ事犯の「自画撮り被害」が増加しています。中学生、高校生等が「自画撮り被害」に遭わないように広報・啓発をお願いします。」というタイトルの資料です。

 これによると「自撮り被害」とは、”だまされたり、脅されたりして児童が自分の裸体を撮影させられた上、メール等で送らされる被害”を指す言葉だそうです。

 統計データによれば、平成28年上期だけでも、被害者が239人もいる

・平成27年中に児童ポルノ事犯の自画撮り被害に遭った児童は376人
・平成24年(207人)から毎年増加
・平成28年上半期においても、239人と前年同期と比べ81人(51.3%)増加
・自画撮り被害は、コミュニティサイト(※)に起因するものが約8割
※SNS、プロフィールサイト等、ウェブサイト内で多数人とコミュニケーションがとれるウェブサイト等のうち、出会い系サイトを除いたものの総称。


 この239人は、少なくとも警察に届け出をしている人であるということでしょう。そうであるならば、届け出をしていない人も含めると、それなりの数の人が被害にあっている?ということが想像できます。

2.ネットを介して”だまされたり、脅されたりして…”の背景が重要では?


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 上記の説明を見て、多くの人が疑問に思うはずです。

 なぜ、自分の裸の写真を自ら撮影・送信するのか?と…もう少し問題の焦点を絞れば、なぜ、ネット上でだまされたり、脅されたりしたことが原因となるのかと…

 というのも、ネットで知り合ったくらいの人であれば、単に”写真を送れ”と言われたとしても、無視すればいいだけの話です。画像を送らざるを得ない状況が発生してしまっていることにこそ問題がありそうです。

 恐らく、被害の多くが中学生、高校生であるとのことから、ネット上で自分自身が特定されてしまうような情報を出してしまっていることが問題なのではないかと推測します。

 つまり、ネットの向こうの知らない人に、リアル世界での個人を特定した誹謗中傷等を可能足らしめるだけの情報を出してしまっている…。

 その意味では、この問題は、児童ポルノ云々の前に、ネット上での情報の取扱いに関する知識の問題でしょう。

 今の時代は、小学校くらいから、スマートフォン等を使って、ネットにアクセスすることが当たり前の生活になっているようです。その中で、どれだけの人が、しっかりとネット上での情報の取扱いに関する教育やしつけを受けられるのか…今の児童の親の世代の知識すら怪しいですから…


3.ネットを介して”だまされたり、脅されたりする”の相手は?


 ちなみに、警察庁の資料にはデータがありませんが、中学生・高校生等に自撮り写真の送付等を強要する人は、具体的にどのような人か?というのが気になるところです。

 ネット上の知らない人である、というのが自然な理解でしょう。

 しかし、この問題について考える場合、もしリアルな世界でのちょっとした知り合いから、自撮りした裸の写真の送付を強要されたとしたならば、話は別になります。

 だって、ネット上での情報の取扱いに関する知識があったとしても、リアルな世界での人間関係から画像送付を強要された場合、画像を送らざるを得ない状況も出てきてしまいそうだからです。

 その意味では、リアルな世界での人間関係による「だまし、脅し」の方が、はるかに解決が難しい問題となりそうですね。(これ、いわゆるリベンジポルノも含まれますね)

 その意味でも、「自撮り被害」での写真送付等を強要する人に関するデータを知りたいところです。