大学生向けの時間割アプリ「Orario」に対して各大学が「利用しないで」と呼び掛け受け。この本質は、マネーフォワードでの口座情報連携でも同じだけど。

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 今回は、大学生関連のアプリについて最近の話題を取り上げます。時間割アプリについてですが、この言葉だけでは、「それで?」「今更何があるの?」「スケジューラと何が違うの?」と素朴な疑問が出てくるかと思います。

 今時の話題となっている時間割アプリは、昔ながらのスケジューラとはそもそもが違うようですので、そのあたりから今回の記事では見てみることにします。

 それにしても、大学生関連のネタは多いなぁ。やはり若い人についてはネタが次々と出てくる…

<目次>
1.大学生向けの時間割アプリ「Orario」のニュースが飛び交っています
2.大学側が利用しないように呼びかける?
3.株式会社Orarioがコメントするところによれば





1.大学生向けの時間割アプリ「Orario」のニュースが飛び交っています


 なにやら、大学生向けの時間割アプリ「Orario」のニュースが飛び交っています。ことの発端は、ベンチャー企業である株式会社Orarioが提供するアプリOrario。

 このアプリは、大学生が自身の学籍ID等をアプリに登録することで、大学のスケジュールシステムなどから、時間割などのデータを自動取得する仕組みです。

 この説明だけでは、まだ何のことやらわからん!ということもあり、さっそく同アプリについて簡単に調べてみました。同アプリの説明文には下記の記載があります。

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○時間割を自動作成
学籍IDとパスワードを入れるだけで、時間割を自動で作成。入力する手間がなく、すぐに確認可能。

○シラバスとの連携
シラバスとの連携により、評価基準を素早くチェック。オンライン学習ツールにもアクセス可能。

○講義情報がリアルに連動
休講情報・補講情報・教室変更など、重要な情報をいち早く確認可能。
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 なるほど。多くの大学で、付与された学籍IDなどを通じて、大学生は自身の授業の時間割や、シラバスなどを閲覧することができるシステムがあるようですが、その大学が提供するシステムだけのために、毎回Webブラウザを立ち上げて、システムにログインして、情報を取得するのは確かに面倒ですね。

 だからこそ、情報を集めてくるこの手のアプリがはやるわけです。特に、大学のシステムって基本的にはユーザインタフェースがしょぼいから、使い勝手が悪いし。

 そしてそのためのアプリが「Orario」ということなのです。大学がお金を出してシステムはたいてい使い勝手が悪い。まあ、公務員的な組織が発注して作られるものは、民間のベンチャー企業が作るイケテルアプリと比べると、雲泥の差ですからね。



2.大学側が利用しないように呼びかける?


 さて、話題となっている事案を一言で言えば、上記のOrarioの利用を控えるよう、大学が学生に呼びかけをしていることです。それもひとつの大学ではなく、いくつもの大学(上智大学や青山学院大学、同志社大学、近畿大学など)がです。

 こうした状況を見ていると、複数の大学が呼びかけを行うくらい、危ないアプリなのだろうか?素朴な疑問が生まれてきます。

 一方で、この手のユーザのID情報を活用した個別システムからの情報取得・表示の仕組みは他にもあって、それは現状実質的に使われているのだけれども。例えば、マネーフォワードなど。このアプリは、個人のネットバンクのログインIDなどを登録しておくと、口座残高などを自動収集してくれる機能です。

 どちらかというと、マネーフォワードの方が、扱っている情報の重要性を考えると深刻な気がするのですが…なぜ大学はそこまでこのアプリを危険とみなしているのでしょうか?やはり大学生(社会人ではない)に関連するネタだから過剰反応している?

3.株式会社Orarioがコメントするところによれば


 上記のような騒動を受けて、株式会社Orarioは下記のようなコメントを出しています。

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利用者様が入力した学生アカウントは、利用者様のスマートフォン(にインストールされている Orario アプリ)と大学サーバー間でしかやり取りされず、学生アカウントに関する情報のやり取りに弊社サーバーを経由することはございません。また、弊社が取得する情報は利用者様がアプリ登録時に任意で入力いただいた情報のみであり、弊社が利用者様の学生アカウントを取得・保持することはございません(学生アカウントは、利用者様のスマートフォンのみに保存されるため、弊社がこれを取得することはできません)。
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 株式会社Orarioでは、アプリを利用している学生の学籍IDや、大学のシステムに掲示されている情報自体を、同社として取得しない仕組みになっているとのことです。とするならば、同社は単純にアプリの機能を無料で提供しているだけであって、実際に使用した際の学生個人の個人情報等には感知していないということか…

 とするならば、別の疑問が生まれてきます。株式会社Orarioは何をしたいのか?別にアプリを提供して対価を得ているわけでもないし、データを蓄積してマーケティングに活用しようという訳でもないですし。少なくとも民間企業なので、収入を得る手段がないとやっていけないはず…それはアプリに広告を出すという収益取得の方法なのかしら。

 大学生向けのアプリ、しかも特定の大学に在籍している時しか使わないアプリ。その後の発展として、どのようなことがあるのか…ビジネスの観点から見ると、発展性が見いだしにくいアプリですね…