POSレジシステム「ぐるなびPOS+(ポスタス)」に見る落とし穴





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 2017年04月25日に、ぐるなびから飲食店向けの新しいサービスとして「ぐるなびPOS+(ポスタス)」の販売開始の旨、プレスリリースがありました。

 昨晩のワールドビジネスサテライトでも紹介されていました。

 テレビ番組で取り上げられる話題のサービスなのでしょう。早速、同社のプレスリリースを読んでみました。
 https://corporate.gnavi.co.jp/release/2017/20170425-014632.html

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「ぐるなびPOS+」は、飲食店に必要な機能に特化したPOSレジシステムです。
これは、販売管理や商品出数分析等の機能に加え、飲食店向けのオリジナルな機能として、来店客の売り上げ、客単価、注文点数、注文商品を席単位で分析することが出来ます。
また、飲食店に必要な機能であるオーダーエントリーシステムも高機能な専用機と同等のレベルでご利用いただくことが可能です。
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 飲食店は、基本的には小さな商店がほとんどです。

 立派なPOSレジなどは導入できないくらい小規模であることから、クラウドなどを使った、簡易で、お安い価格のシステムを作ったということでしょう。
 最近では、小さな店向けにタブレット端末などを使ったレジがありますよね。それと同じタイプでしょうか。

 ところで、同業界に疎い身としては、今まであったような、なかったような、この新しいサービス「ぐるなびPOS+(ポスタス)」のどこに革新があるのかいまいちしっくりきません。どこだろう?

 それに、いまいち評判が…「ぐるなびPOS+(ポスタス)」の評判はどうなのでしょうか?

<目次>
1.「ぐるなびPOS+」の売りは、データ分析ツールにある?
2.データ分析といっても、データはどうやって入力する?そこが落とし穴
3.データ入力の手間がボトルネックでデータがたまらない






1.「ぐるなびPOS+」の売りは、データ分析ツールにある?


 同社の「ぐるなびPOS+」のプレスリリースを見ていると、「データの管理・分析機能」を売りにしているようにも見えます。

 最近、データ分析がはやっていますから…。特に、若い経営者ほどデータを使って経営を…好きそうです。長年の経験と勘ではなく、データに基づき経営を効率化する等々…

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【データの管理・分析機能】
飲食店のオーナーや店舗本社の担当者は、リアルタイムにPCやタブレットで外から売上確認や導入店舗の入力データを一元管理できるほか、店舗ごとの売上データの分析や、サービス向上にむけた改善分析などにデータを活用できます。
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 実のところ、世の中的にもデータ分析による合理的な販売やサービス提供に注目が集まる中、例え規模の小さい飲食店でも、データを駆使して客単価を上げる工夫が求められる。

 例えば、「客席の配置を2人席から、4人席へと変えるだ」けで、客単価が上がる等の知見がデータから分かれば、飲食店経営の工夫となりそうです。

 また、「どのメニューが多く売れるのか?」が分かれば、食材の調達などを工夫して、調達コストの削減などもできそうです。

 机上で上記の話を聞けば、普通の人はそうだよね、必要だよね、なんて考えてしまいそうです。

 しかし、実際の飲食店の現場では印象は違ってくるのかもしれません。

2.データ分析といっても、データはどうやって入力する?そこが落とし穴


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 「ぐるなびPOS+」が提供するデータ分析ツール自体は、タッチパネルで利用可能で、従来の飲食店の現場では存在しなかったツールだと思います。

 それらを駆使することで、店舗の中で何が起きているのか、感覚でとらえるのではなく、データで把握して、合理的に意思決定できそうです。

 ワールドビジネスサテライトで紹介されていた際の活用シーンの映像を見ても、タブレット端末を操作すると、客単価の比較などを色々な条件で可視化できるようです。

 ただし、気になった点が一つあります。そうです。データ入力です。

 データ分析をするためには、誰かがデータを入力しなくてはなりません。詳細なデータ分析をするためには、細かな情報をデータとして入力する必要があります。

 例えば、飲食店のとあるテーブルに座った顧客は「何人?」「それぞれの性別は?」「年代は?」…これらの誰が入力するのか。

 普通に考えると、ウェイターやウェイトレスなどのスタッフでしょう。

 しかし、飲食店は忙しい時間帯には、そんな情報をいちいちタブレット端末等を使って入力している時間はないのではないか

 入門を入力するだけで手いっぱいで、詳細な情報を入力するのは無理!となりはしないか。

 接客でバタバタしているとしたら、自分だったら、入力なんてできない!

 それよりも接客が第一。データ入力なんてしない!となりそうです。




3.データ入力の手間がボトルネックでデータがたまらない


 データ入力の手間がボトルネックでデータがたまらないといったことは、普通に起きていることです。

 例えば、製造業のIT化などは従来から言われていることです。中小製造業の現場では、なかなかタブレット端末などの活用が進まない。

 なぜかと言えば、「忙しい現場作業の合間に、詳細なデータ入力などできない」からです。

 タブレット端末を使う時間があれば、一つでも多くの部品を作れ!となるのは必至。

 そうは言っても、データ自体は重要です。

 データが得られれば活用できるシーンはたくさんありますから。だからこそ、昨今、IoTという言葉がはやっているのですね。

 肝は、データ入力を自動でできる仕組みづくり。

 今回の「ぐるなびPOS+」でも、その手のデータ入力の自動化の仕組みがあるともっと面白かったのではないかと思うのですが…そこまで開発は難しいのかな。でも、IoTの仕組みが入っていればもっと話題になったのかもしれないのに。

追伸:
 「ぐるなびPOS+」について紹介してきましたが、そもそも飲食店は、基本的には小さな商店がほとんどであり、新しく「ぐるなびPOS+」のようなPOSレジなどを導入するよりも、高度な顧客分析をするために、高い端末の導入、データ入力の手間をかけるくらいなら、潔く、カードリーダー4,980円(税込)で、自分のスマホを決済端末にできるSquareでイイじゃん!なんて思いつつあります。




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