カフェは異なる世界への入り口。隣り合った人々の会話が流れてくる。


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 カフェが好きで、日々入り浸る生活をしています。多数の街で、それぞれのお気に入りのカフェがあるのですが、その街その街に応じて客層が大きく異なります。

 その客層の違いを見るだけでも、なかなか面白いものがあります。やはり、「類は友を呼ぶ」ということなのでしょうか。同じような人が同じような街に集まる気がしています。

 さて、自分の普段の考え方や生活スタイルとは大きく異なる人々が集う街のカフェは大変面白い。というのも、自分の世界観とは異なる人々の、日々の生活の端々や思想などをうかがい知ることができる機会があるからです。

 カフェで数時間、読書などをして過ごしてみてください。

 近くの様々なテーブルから、自分とは異なる世界に住む住人の普段の悩みや意見が漏れ伝わってきます。

 例えば、個人的にびっくりしたことは、世の中の多くの人が、些細な日々の悩みを多くの人と共有しているということです。私自身は、ほとんど他者に悩み相談することはありません。他者に相談する以前に、直ぐに行動を起こしてしまうタイプですから。

 そうした違いもあるのでしょうが、世の中の多くの人が、友人や知人とカフェで待ち合わせ、様々な相談をしています。恋愛相談、ビジネスの相談、将来の相談、金銭面の相談等々。

 以下では2つの街を取り上げて、そこで繰り広げられる典型的なカフェでの会話例をいくつか挙げてみます。





■新宿のカフェでは水商売の相談が…


 新宿歌舞伎町と言えば、至る所に飲み屋があり、きらびやかではあるものの、雑多であり、また怖いお兄さん、怖いお姉さん等がいる、そんなイメージの街です。

 この街にあるカフェでいくつか典型的な会話例を挙げろと言われれば、迷わず2つ上げることができます。

 1つ目は、水商売の相談です。典型的には、キャバクラ等でこれから働きたい若い女性と、スカウトと思しき男性の会話。

 時給や日当などの条件面の話から、お客を引っ張るためのノウハウの話、お店の雰囲気や、今後の将来について、かなりディープな内容まで踏み込んだ会話がなされています。

 カフェという公共の場であるにもかかわらず、このような会話ができるのは、やはり歌舞伎町にあるカフェだからでしょうか。

 2つ目は、投資話など、ネットワークビジネスの会話です。主に大学生がカモられているようです。

 「○○さん」と、さん付けで呼ばれるボス格の男性が会話の中心となり、大学生と思しき若者に宗教の布教活動のように一方的に畳みかけるような会話を行っています。

 まっとうの社会人から見れば、明らかに建前の薄っぺらい話をずっとしているのですが、大学生と思しき若者はいちいち驚き、感心するのみの様子です。

 カフェ好きで十数年来、様々なカフェで時間を過ごしていますが、こうしたネットワークビジネス的な若者の登場はここ数年かなり目立ってきました。

 新宿歌舞伎町のカフェに行くと、上記2つの会話を行うグループにかなりの割合で出会います。これはこれで、普段の自分の世界にはいない人々であり、世の中では、こうした方々もいるのだなぁと感じているところです。


■御徒町のカフェでは、おじいちゃんとアジア系女性の会話が目立つ…


 場所は変わって御徒町。上野のアメ横からすぐの所にある街。ここでは、アジア系女性を連れたおじいちゃんと言ってもいいくらいの男性がしばしば会話している場面に出くわします。

 その会話を聞いていると、おじいちゃんが女性の生活の心配をする…そんな雰囲気です。

 しっかり稼げているのか?お金はためているのか?お腹減っていないか?どこかへ美味しいものを食べに行こうか?

 そんな会話を繰り返す、おじいちゃん。見た目ではお金持ちといった感じではなく、下町のどこにでもいそうな風貌のごく普通のおじいちゃんです。

 孫をかわいがるおじいちゃん、と捉えればかなり善意がこもっているかもしれません。悪く言えば、キャバクラ等に勤めるアジア女性と客であるおじいちゃんの会話。

 このように御徒町のカフェでも、新宿とは別の世界をのぞくことができます。

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 他の街でも、それぞれ違った味わいのあるカフェがたくさんあります。複数の街の雰囲気の異なるカフェを巡っていると、自分が思いもよらなかった考えを持ち、日々会話をしている人々に出会います。

 これはある種のバーチャルな社会勉強になるのかしら…と思いつつあります。こんなにも発想が異なる人々が、カフェという場所で、ほんのわずかながら接点を持ちつつすれ違うのですから。