サービス業の生産性向上には、レジで待ち行列を解消することもひとつの方法では…

 少子高齢化が進み、昨今、労働市場では人手不足が深刻化しつつあります。その中で、政府は労働生産性を高め、少ない人数でも、今までと同等、もしくはより大きな成果を残すよう旗を振っています。

 そして、その手段として、IT/IoTの活用がうたわれていますし、そもそもの働き方改革などにも注目が集まっています。

 こうした流れは、政治と大手企業の話かな…とも思いがちですが、私たち消費者の視点からも、企業が働き方を変えていった方がメリットを享受できる点も多々あると思います。

 例えば、日々お世話になっている飲食店。特にチェーン店などでは、人手不足の影響か、かなり少ない人数のスタッフでお店を切り盛りしています。その中で気になるのが、レジ打ち作業。

 そもそも店員が少ないから、レジでの精算もテンテコ舞いで、客として支払いをさっさと済ませて帰りたいのに、レジ打ちの待ち行列で5分、10分まちということもしばしば…

 こうした飲食店でのレジの待ち行列を解消する方法として、やはりITが欠かせないのではないかと思います。お客も待ち行列がなくなるし、店員としても簡単にレジ打ちができれば仕事も楽になる。

 それに役立つITの仕組みとして、まず初めに、ぐるなびの「ぐるなびPay」のサービスを紹介したいと思います。

<目次>
1.ぐるなびが、「ぐるなびPay」のサービスを開始
2.飲食店も顧客からの支払いをもっと効率化することに意識を持つべき?
3.一方で消費者でも電子マネーの利用を進めていくべきであるが…






1.ぐるなびが、「ぐるなびPay」のサービスを開始


 2017年06月26日付で、ぐるなびがとあるプレスリリースを出しています。

===
マルチ決済サービス「ぐるなびPay」のサービスを開始
ぐるなびPOS+(ポスタス)と連携し生産性向上へ
https://corporate.gnavi.co.jp/release/2017/20170626-014883.html
===

2017-07-08_0001.jpg

 ぐるなびは、飲食店への販促以外の業務支援としてモバイルPOSレジシステムとして「ぐるなびPOS+(ポスタス)」の販売を2017年4月から開始していますが、今回のマルチ決済サービス「ぐるなびPay」は、その「ぐるなびPOS+」と連携する仕組みとのことです。

 具体的には、ベンチャー企業のコイニー社が提供する「Coineyターミナル」、「Coineyスキャン」と「ぐるなびPOS+」を連携させることで、注文入力からクレジットカード決済または、訪日中国人観光客向け決済サービスである「WeChat Pay(微信支付)」の決済までスムーズに利用することが可能になると。

 つまり、この仕組みにより、飲食店は、クレジットカードでのテーブル決済など利便性が向上、業務の効率化が可能となる。

 さらに、加えて、将来、Suica等の電子マネー、ビットコイン等での決済機能も追加していく予定とされています。

 現在、多くの人が飲食店では現金での支払いをしています。それはクレジットカード、電子マネー、ビットコイン等での決済のための設備が飲食店にはない事が多く、現金でないと支払えないためです。

 だからこそ、皆、お金をジャラジャラさせながら、支払いに時間がかかってしまっているのです。レジで行列もできますわな…

 クレジットカード、電子マネー、ビットコイン等での決済が簡単にできる環境が多くの飲食店で整備されれば、お客としてもかなりうれしいのではないかと思います。

2.飲食店も顧客からの支払いをもっと効率化することに意識を持つべき?


2017-07-08_0002.jpg

 最近、レジの待ち行列対策をすすめようとするお店が増えています。例えば、飲食ではありませんが、ユニクロなどが典型的です。

 セルフレジを導入して、店員を配置しなくても、消費者が自らレジ打ちができる仕組みです。ユニクロに行く人であれば、一度は見たことがあるのではないでしょうか?

 従来、お店のレジは、設備数の制限もありましたが、そもそもレジ打ち担当者を配置しなくてはならず、人件費の観点から常に全てのレジ台を稼働させているわけではありませんでした。

 もしセルフレジが増えていけば、レジ打ち担当者がいなくても、常に全てのレジが稼働状態になるわけです。消費者のレジ待ち時間も解消されていくのではないかと思うのです。

 一方で、上記のようなセルフレジといった大きな設備投資までできなくても、決済を現金から電子マネーに変えるだけでも、レジ打ちの効率化はかなり測れます。

 例えば、コンビニのレジを観察していれば分かると思いますが、現金で決済しようとする客と、電子マネーで決済しよとする客とのレジ時間は、後者の方がはるかに短い。

 この点をもっと重視すべきだと思うのです。短時間でレジ打ち作業が終わるのであれば、業務効率化になります。是非とも電子マネーでの決済機能をお店側は検討すべきだと思います。

3.一方で消費者でも電子マネーの利用を進めていくべきであるが…


 一方で、お店側で電子マネー等での決済ができる環境を整えても、消費者の側で現金から電子マネーへの決済方法の切り替えを進めなければ、レジの非効率さを解消することにはつながりません。

 多くの人が電子マネーでの決済になれば、瞬時に決裁が終わりますので、レジ待ち時間も解消、レジ作業も効率化、といいことだらけです。

 しかしながら、実のところ、電子マネーでの決済はなかなか浸透していないのが実態のようです。

 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2014 年)」によれば、全国を対象として、1,000円以下の少額決済に限っても、電子マネーの利用率は、10.5%と10人に一人程度に留まっています。

 さらに、額が高くなり、1,000円超5,000円以下の決済では8.9%、5,000円超10,000円以下では5.2%に留まります。

 なるほど。お店において電子マネーの決済環境が整いにくい背景には、消費者の電子マネー利用に対するニーズがまだ小さいということもあるのでしょう。

 これは「鶏と卵」の話ではありませんが、消費者の電子マネー利用に対するニーズを高めるのが先か、お店に電子マネー決済環境を整えるのが先か、の問題かもしれません。

 しかし、電子マネーでの決済を多くの人が実行すれば、お店のレジ作業の効率化につながり、ひいては消費者のレジ待ち時間が短縮する、という両者にとって都合のいい状況が生まれると思います。

 上手いこと、良い意味での循環にのってくれると嬉しい限りです。