性別や年齢の違いによって新型コロナウイルスの感染しやすさに違いはあるのか?東京都のオープンデータを整理して違いを見てみる






 東京都では、新型コロナウイルス感染症に関して、日々の感染状況等の情報発信をすべく、いち早く「東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)」を立ち上げ、日々、最新の情報を提供しています。

 日々変化する陽性患者数やその属性、検査数など、様々な情報を取得可能な秀逸なWebサイトとなっています。具体的に掲示されている情報項目は下記となります。

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・検査陽性者の状況
・検査実施状況
・陽性患者の属性
・陽性患者数
・検査実施人数
・検査実施件数
・新型コロナコールセンター相談件数
・新型コロナ受診相談窓口相談件数
・都営地下鉄の利用者数の推移
・都庁来庁者数の推移
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 上記のWebサイトの特に秀逸な点は、主要なデータをオープンデータとして、CSV形式で取得可能なところにあります。

 この東京都のWebサイトを参考に、他の自治体でも、公式・非公式色々ありますが、日々変化する陽性患者数などを提供しているWebサイトが立ち上がっていますが、東京都には及ばないところも目出します。

 特に、データをCSV形式で提供していない自治体も多いのです。いまだにPDFでリスト化された情報としている自治体もある…センスないなあ…

 それはさておき、本日は、「東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト」の「陽性患者の属性」のデータを活用して、世代別の新型コロナウイルス感染者の状況を整理したいと思います。

 巷では、「主たる感染者は若者だ」というコメントや、逆に「高齢者やおじさん世代が主たる感染者」というコメントなど、色々言われているのですが、実際のところは、このオープンデータを使えば知ることが出来ます。

 下記には、性別・年代別に直近の数週間について、感染者の状況を整理してみました。


1.4月10日(金)までの直近4週間の感染者数を見る


 まず、「東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト」の「陽性患者の属性」のデータを用いて、4月10日(金)までの直近4週間の間に公表された感染者を対象とします。

 なお、年代別の分析の都合から、年代が不明や調査中となっているデータは少数であることから省略しています。

 そうすると3/14~4/10までの感染者数は1,623人となります。男性1,044人、女性565人です。

 この性別の感染者数を見ると、男性は女性の2倍近くの感染者数となっていることが分かります。では世代別にみてみるとどうでしょうか。


2.感染の中心は、40代~60代から、20代~40代へと移行


 まず、3/14~4/10の週別の世代別感染者割合を示します。

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 3/14(土)~3/20(金)は感染者数52人。3/21(土)~3/27(金)は170人。3/28(土)~4/3(金)は474人。4/4(土)~4/10(金)は927人となっています。これを見てわかる通り、急速に感染者数が増加しています。

 ここで週ごとに世代別の感染者数構成割合に注目すると、当初3/14(土)~3/20(金)では、40代~60代の感染者の割合が高くそれぞれ28.8%、19.2%、21.2%となっており、他の世代と比べて倍以上の割合です。

 少なくともこの時点では、感染者の中心は40代~60代であったことが分かります。

 しかし、3/21(土)~3/27(金)、3/28(土)~4/3(金)、4/4(土)~4/10(金)の3週間にわたり、各週での世代別の感染者数構成割合を見ると、感染者の構成割合の上位は20代~40代へと移行していることが分かります。

 特に、4/4(土)~4/10(金)においては、20代、30代、40代のそれぞれで19.4%、22.9%、16.6%となっています。特に30代の割合が高まっているのです。

 70代以上は10%以下、60代でも10%台前半にとどまっており、年代が下がるにつれて感染者数の構成割合は高まります。

 ただし、10歳未満、10代は数%を維持しています。これは10歳未満、10代は20代以上と比べて、一般に行動範囲が狭いこと、また休校等もあり感染者数が少ないということも理由かもしれません。

  

3.男性の中では30代~50代が中心。特に30代が多い。


 全体としては、東京都における感染者数は、直近4週間では、40代~60代から20代~40代へとその中心が移行しているように見えます。

 では次に、性別による違いについてみていきたいと思います。男性の世代別の感染者数構成割合を表に示します。

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 ここで男性については、当初3/14(土)~3/20(金)では、40代~60代の感染者の割合が高くそれぞれ31.7%、17.1%、26.8%となっており、他の世代と比べて倍以上の割合です。特に40代は圧倒的に高い。

 しかし、3/21(土)~3/27(金)、3/28(土)~4/3(金)、4/4(土)~4/10(金)の3週間にわたり、各週での世代別の感染者数構成割合を見ると、感染者の構成割合の上位は30代~50代へと移行していることが分かります。

 特に、男性の中で、10代の感染者の構成割合は、4/4(土)~4/10(金)で16.1%と高くなったものの、それ以前では10%未満と意外と低い割合でした。ただ、これは10代が少ないというより、30代~50代の感染者数が特に多い分、10代の構成割合が少なくなっていると言えるのかもしれません。

4.女性の感染者の中心は20代~30代。


 続いて、女性の世代別の感染者数構成割合を表に示します。女性の世代別の割合にはいくつかの特徴が見られます。

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 まず、3/14(土)~3/20(金)では、20代の27.3%、40代の18.2%、50代の27.3%、70代の18.2%と、構成割合が高い世代が幅広い状況でした。

 しかし、3/21(土)~3/27(金)、3/28(土)~4/3(金)、4/4(土)~4/10(金)の3週間にわたり、各週での世代別の感染者数構成割合を見ると、構成割合の中心は、20代、30代へと移行していることが分かります。

 特に、4/4(土)~4/10(金)では、20代、30代の構成割合は25.1%、25.7%となり、20代と30代だけで女性の感染者の半数を占める状況となります。


5.途中のまとめ


 上記の2.、3.、4.で見てきたとおり、全体としてみると、感染者の中心は時間の経過とともに、40代~60代から、20代~40代へと移行していることが分かります。

 しかし、男性と女性とで変化には違いが見られます。

 男性は、直近では30代~50代が中心となっており、特に30代が多い。一方、女性は感染者の中心は20代~30代となっています。

 そして男性では、30代~50代が中心ではありますが、それ以外にも直近では20代や60代でも一定の感染者数構成割合が見られるのに対して、女性では、20代~30代が中心で、それ以外の世代は20代~30代と比べて感染者数構成割合が顕著に少ない状況となります。

 こうした性別による違いは、多くの男性と多くの女性の社会的な活動の違いにあるのではないかと推測されます。この当たりの推測は、様々な議論があろうかと思いますため、ここでは省略します。

6.次回の記事での記載予定


 上記のデータ整理は、あくまでも、週ごとに世代別の感染者数構成割合を見てみたものにすぎません。

 ある世代の構成割合が高くなるのは、感染者数が多いからなのですが、そもそもその世代の人口が他世代よりも突出して多ければ、感染者数も多くなり、構成割合が大きくなるのは、ある意味当たり前とも言えます。特定の世代が感染しやすい等とは簡単には言えないのだと思います。

 そこで世代別の人口をもみつつ、世代別の感染者数についてデータを整理したいと思っています。