労働力削減につながる大きなトレンドになりそうな契約の押印の廃止

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 新型コロナウイルス感染症拡大を背景に、在宅ワークをしたくでも、仕方がなく出社せざるを得なかった要因として、契約手続き書類等に必要な押印作業などが挙げられています。

 これについては、多くの方々がいたく同意する事象でしょう。

 それに加えて、政府の竹本直一IT担当大臣が4月14日の記者会見で、在宅勤務の中での押印問題について問われて、対応策としては「民間で話し合ってもらうしかない」と発言したことが物議をかもしました。

 こうしたことから、民間企業等を中心に、ある意味での電子契約に移行するトレンドが生まれつつあると思われます。

トレンドを生み出すIT企業
 例えば、フリマアプリを手がけるメルカリは、4月8日の時点で、取引先との契約締結時に必要な捺印や署名の手続きを電子契約サービスに切り替える方針を発表。

 GMOインターネットは、4月17日は、レンタルサーバーなど自社サービスの顧客の手続きで印鑑を完全に廃止し、取引先との契約も電子契約のみにすると発表。

 このようにIT系の企業は、素早く電子契約に移行するための動きを始めています。

 同様に、自治体でも、2020年4月13日には、福岡市が、市民や地域の皆様が市へ提出される申請書等への押印の義務づけを段階的に廃止すると発表。

 このように次々と、押印をなくし、契約手続き書類等に必要な押印作業のためだけに外出せざるを得ない状況をなくし、加えて、紙や押印といったアナログ作業による非効率を解消する動きが活発化しています。

とうとう非IT企業や大学にまで
 そして直近では、こうした改革は、非IT系や大学にも起こりつつあります。

 2020年5月28日には、飲料大手のサントリーホールディングスは、出社を前提としていた働き方を抜本的に見直し、来月から段階的に「押印」を廃止するなど、電子決裁の仕組みを全面的に導入することを決めた。これにより、年間で6万時間分の作業の削減につながると見込む。

 さらに、2020年5月、東北大は、学内の各種手続きに必要な押印を廃止し、完全オンライン化に踏み切ることを決めた。新型コロナウイルス収束後の「ニューノーマル(新常態)」を見据えた取り組みで、従来「当たり前」とされてきた業務の見直しを徹底することで、100以上の業務で押印が不要となり、年間約8万時間の作業時間の削減を見込む。

 こうした押印不要、電子契約の動きが活発化してくると、これまで契約手続きに要していた労働力が大きく削減されることになります。

 あらためて考え直すと、今まで、人手とお金をかけて、紙と押印により契約手続きをしてきたのはなぜなんだろう?今までもそうしてきたから、というのがひとつの理由だと思いますが…。

 ただ、変えようと思えば変えられるものだったのに、お金や人手がかかるものなのに、なぜ得なかったのか?不思議でなりません。

 一方、このトレンドがどんどんと加速すると、これまで契約手続きに関わってきた人たちの仕事がなくなることは容易に想像できます。こうした人たちの雇用を配慮して、電子契約を導入してこなかったのか?とも邪推してしまいます。

 しかしながら、コロナの影響もあり、民間企業を中心に、そんなことを言ってられない状況となりました。社員の健康をしっかり確保し、かつ不要なコストはしっかり削減しなくてはいけません。

 その第一歩が、電子契約の導入なのかもしれません。